こんにちは。
髪を「すかない」美容師、
松下由樹です。
<すかないカットに関してはこちら>
最近すこしづつ、
COCドライカットの魅力が広まりつつあるのを感じております。
じわりじわりと。
とても嬉しいですね。
松下ブログを見ていただいたり、ホームページ(ホットペッパーのほうも)を見ていただいたりして、知ってくださる方が多いみたいです。
ありがとうございます。
通称「すかないカット」COCドライカット。
僕が、わかりやすく伝えるために、敢えて「すかないすかない」言っておりますが、ただすかないだけのカットというと、そんなことはありません。
色々な理論や技術が、組み合わさって出来ているんです。
皆さんは、自分の髪型が
どのようにして作られているか?
って、意外と知りませんよね。
今回は
「COCドライカットの理論や構造」
を簡単に説明したり、
「他のカット技術と比較して、なにが違うのか?」
を、書いてみたいと思います。
2014年のオープン当初は…
実はトラヴィスがオープンした2014年3月は、
まだこの「COCドライカット」という技術は、
生まれていませんでした。
今まで、
どのようにカットしていたかというと、
主に「サスーンカット」と呼ばれる技術で切っていました。
(オープン当初はレザーを使ってカットしていたスタッフもいたり…。
あまり統一感はなく、個々の自由な技術でカットしていました)
美容業界では現在、
ほとんどの美容室が
この「サスーンカット」のテクニックを取り入れているのではないでしょうか。
僕が最初に習得したカット技法も、サスーンカットです。
サスーンカットについて
サスーンカットの歴史を振り返ってもアレなんで割愛しますが、このカットの特徴に、
- ヘアスタイルがパターン化されている
といった点があります。
ヘアスタイルがパターン化されているというのは「型」が決まっているわけですね。
料理で例えるなら...
「レシピ」が決まっているというイメージですかね。
- 肉じゃがの作り方、
- ブリ大根の作り方、
- ホウレンソウのお浸し
etc...。
何度も何度も練習を積んで、
一つの「型」を習得していきます。
(ちなみに美容学校では、
国家試験課題で「レイヤーカット」という髪型を習得しないと、
免許がもらえません。僕は試験に2回落ちました。笑)
まずは人形で練習を積み重ねて、ある程度のレベルに達したところで、人頭で練習します。
平均2~3年で、サスーンカットの基本的なことは習得できるのではないかと思います。
修正技術問題??
さてそんなサスーンカットですが、僕の視点から見た、ちょっとした「問題」を書いてみます。
それは...
ベースカット(型づくり)以降の技術は、個人差が激しい
ということです。
どういうことか?
先ほど、髪型はパターン化されていると書きました。
先輩から教わった技術(ボブの切り方)を、練習用の人形で、完璧に切れるようになったとしますよね。
「よし、じゃあ今度は友達を切ってみよう!」
という具合に。
どうなると思いますか?
ほぼ100%自分が思い描いていた、綺麗なボブにはならない
んですね。
これはなんでかというと、人間には
- 毛流
- クセ
- 骨格
というものがあるからです。
この毛流やクセ、骨格は、ヘアスタイルを構成する上で、大きく影響していきます。
(どのように影響するかは今度書きます)
僕も修行時代、オカンを「本〇翼さん風ショート」にしたかったのに、
「ムッシュかま〇つ」ヘアになったときは、正直焦りました...。笑
いや、ちゃんと修正しましたけど。
修正するためにセニング(すきばさみ)を使う
ベースカット後、どのように修正するかというと
・毛量を減らす
ことを、まずやります。
「すく」ってやつです。
乾かしてみると、クセとか毛流の影響で、思い描いている形と違うんですよね。
毛量を減らすことで、想像している形に近づきます。
分かりやすく「修正技術」といいますが(本当は毛量調整っていいます)この修正技術は、なかなか習得が難しいです。
全て、技術者のさじ加減で行われています。
もちろん、大まかな修正技術理論は先輩方に教わりますが...
先輩によって修正の仕方も違うんですよね。
さらに、お客様の骨格や髪質は皆さん違うので、日々のサロンワークで
「このケースは初めてだ...!」
ってことが、ほとんどなんですよね。
なかなか思い描いていた形にならない→たくさん「すいて」形にしようとする
という過度なセニングワークの結果、
- パサパサしてしまった
- 広がってしまった
という事態にもつながりやすいです。
修正技術の上手さ(?)は、スタイリストの個人差が激しいんですね。
なので、いっそこの「すく」という概念を捨てちゃえ!
ってことになりました。
そんな経緯から...
トラヴィスでは、2015年からセニング(すきバサミ)は使わなくなりました。
稀に例外はありますが。
トリートメントでトゥルットゥルになったのに、
技術者がお客様の髪をスッカスカにすいて、パッサパサにしてしまったら、どうしようもないですよね。笑
と、いうことで新しいカット技法が生まれました。
COCドライカット。
髪を美しく、魅力を最大限に引き出すカット技法です。
まぁもちろん、その理由だけで生まれたわけではないんですが、ザックリ言うとそんな感じです。笑
次のエントリーでは、どのように技術が構成されているかを書いてみたいと思います。
更新は、年明けを予定してます。
ではでは。
[kanren postid="1759"]